幸福度の非常に高いデンマーク国民の考え方と、国の文化に学べる場所を探す

こんにちは、澤田です。
2019年のWorld Happiness Reportの結果で、世界2位になったデンマークの国民の皆さんの価値観などをお伝えします。
2009年9月出版のちょっと古い本ですが、「世界一幸福な国デンマークの暮らし方」千葉忠夫著を参考にしております。

様々な観点がありますが、今回は、デンマーク国民の皆様の大半が考える「幸せな国」、そして社会のあるべき姿と、そのために一人ひとりが何を大切にする必要があるか?です。

「幸せな国」を実現する上で、どんな要件を満たしていけば良いのか?をより細かくすると、

幸せな国=住み良い国=生活大国=ゆりかごから墓場まで保証している国=民主主義の国=自由+平等+連帯+共生

ここで、日本と意味が異なってくるのが、

  • 「自由」
  • 「平等」
  • 「連帯」
  • 「共生」

それぞれが、デンマークでどのような捉え方になっているのか?をご紹介します。ただ、それぞれ関連性が深いので、全てのキーワードの認識をデンマークの捉え方での理解が深まってこそ、見えてくるものがあるので、単体だけの理解だけでは不十分だというのを知っていて欲しいです。

「自由」

「個人が何を好きかってやっても良い」という意味ではなく、他者と共に暮らしていく社会での責任を果たした上での自由ということです。これを、デンマークでは子供の頃から徹底して躾けられるそうです。躾け方は、叱って叩き込むわけでなく、「身を持ってわかってもらう」というアプローチのようです。
家庭での教え方は、最初は「好き勝手やらせる」そうです。ただ、責任が伴うところは教えて、それが果たせないと、責任を取ることになります

例えば、夜遅くまでテレビを見ることに初めは何も言わないそうです。ただ、明日○時に起きてねとは伝えるそうです。翌朝、その時間に起きられないと、それ以降は夜テレビは見れなくなり、それは「自由の使い方を間違えたから」と教えるそうです。

日本では、上記は躾の範囲でしょうか。しかも、初めから夜遅くまでテレビを見せることを止めるケースが多いのではないでしょうか。最初から指定した規律通りに行動することを叩き込んでいくので、だいぶ違うように感じました。

そして、自由と連帯責任という範囲の例では、学校のクラスで課外授業に取り組む際に、前日に待ち合わせ時間とみんなの腕で時計の時間を合わせる。翌日、待ち合わせの時間に遅れてくる人がいたとしても、それまでに集まっている人だけで出発してしまうそうです。

「平等」

デンマークでは、職場以外の付き合いでは年上も年下も、肩書きの上下もなくし、対等に付き合うそうです。なので、「〜さん(英語なら ミスター○○)」と呼ぶのは職場だけ。それ以外はつけないそうです。

また、他の事例で、ピザを3人で分ける場合だと、日本ではきっちり三等分にすることを拘りますが、デンマークは一人一人のお腹の空き具合を確認してから、お腹を満たせるだけのサイズに切り分けていくそうです。つまり平等とは「必要とする分を受け取れるチャンスが平等に与えられている」という意味です。

これは、社会保障に関しても同じ考えのようです。デンマークは税金も非常に高いのですが、必要な時に必要な分だけの保障を受け取ることができます。
また、これが成り立つのには、前述の「自由と責任」の前提も非常に重要でしょう。

「連帯」と「共生」

幼い時から、連帯を身につけるそうです。例えば、子供一人で持てないものを持ってきてと頼んだ時に、「持てない」と子供がほっぽり出しそうになったら、もう一人の子に「二人だったら持てるので、手伝ってあげて」と言います。そして、持てなかった子も再びチャレンジし、一緒に持っていく。このようにして身につけるそうです。

一人でできないことを、みんなで助け合っていく前提を身につけた上でこそ、税金が高く保障も高い社会の運営にみんなが賛同していくのだと思いました。

以上を見てきて、個人的に感じたことは、日本の現代社会で昔から失いつつあるものの一つは、絆やコミュニティですが、それに加えて幼い子供たちの躾や道徳、社会性に関しての家庭内教育の文化や内容もあり、影響も非常に大きいのではないか?ということです。

実際に、私は5歳と2歳の子育て中ですが、家庭内教育となると、小学校で学ぶ科目は教えやすいのですが、それ以外の躾や道徳、社会性などはどのように教えていけば良いか定まったものがないし、妻も手探りです。そして、何を良しとして選んで行ったら良いのか?も見出せないので、妻との方針すり合わせもやりようがなく放置状態にしていることにも気づきました。
もちろん、私も親から躾などはありましたが、私の書簡ではそのままを子供にやったとしてもそれで本当に良いのだろうか?という疑問も感じています。
なので、子供への愛情をかけることに偏りがちな状態です。
そんな中で、このデンマークの実例が大きなヒントになったと思います。

これから、また一つずつ自分も実体験を踏まえながら、何かしら体系立てたものにできたら良いなと感じています。
妻も興味のある範囲なので、ゆっくりとですが進めていこうと思います。