日本が国際社会の仲間入りとSDGsを各国と共同で進める上で、日本人のアイデンティティを各人が持った方が良い理由

こんにちは、澤田です。
今回は、地球という範囲の立場に立って、日本の国際社会の関係づくりや、日本人一人一人が日本というアイデンティティについてを焦点に書いていきたいと思います。

海外に友人を多く持つ日本人の友人が、「日本の建国者や建国の精神、宗教は何?」と質問をされたと聞きました。

国際社会では、宗教を持っている方が大多数で時として無宗教の方は低くみられがちになるそうです。
また、自国の建国についてを歴史で学ぶ国の方が多いので、国の成り立ちを知らない方の多い日本を全く理解できないケースも起こるそうです。
国際社会では、自分は何者か?というアイデンティティがあることが対等なお付き合いをする上でキーとなるようです。

日本でなぜ教えていないか?の課題は様々ですので、今回は省きます。

それでは、日本人のアイデンティティについて、見ていくことにします。

まず、建国についてですが、神武天皇が建国しました。建国の精神は「八紘一宇」であり、意味は「全世界が八方に広がる一つの屋根のもとで暮らす家族でいられる世界を作りたい」と言うものです。八紘一宇についてはまた様々な意見が飛びますが、私は本来の意味をそのまま理解すると非常に愛情深い前提で、すべての方の尊厳を大切にしながら、家族と言えるお互いを大切にしあえる関係性を作ろうという考えなので、素晴らしいものだと考えております。

では、宗教に関するものは?と言いますと、私の知る限りで最も古いものは「古神道」が縄文時代からあるようです。ただ、宗教として伝えましたが、古神道は宗教という位置づけで説明するのが適切でないといえそうですが。

時代の流れで見ると、古神道があり、それに仏教や儒教やキリスト教などが海外から伝わってきております。聖徳太子の時代では神道をベースに仏教や儒教を統合させて神仏習合(神仏儒集合)と言われることを成し遂げられたそうです。

古神道は他の宗教のような正典がなく、掟のような縛りもありませんが、「古事記」に記述されています。

この古事記を哲学的に見つめることで日本のアイデンティティの性質を見出そうと広井良典氏が取り組んでくださっております。(人口減少社会という希望 の第二部)
今回はその要素を書きながら、国際社会の中で日本が海外の国とどういう関係を作る前提があるのか?を感じ取っていただければと思います。

他国との関係性

古事記にある「天の岩屋戸」の部分については、中国南部の雲南省のペー族、チンポー族、イ族、貴州省のミャオ族(花山節 Miao Flower Mountain Festival)、広西チワン族自治区のチワン族などの現在でも行われる祭事「歌垣」に本質部分が一致するそうです。(工藤隆 2006,2012)源流が一致する、日本とアジア南部圏では、人生観の根幹が似ているために深いところでの理解が一致しやすいと言えます。

また、「天の岩屋戸」のエピソードはアマテラスという太陽の神さまが隠れ(死)と、再び顔を出す(再生)という自然の象徴と見ることができ、暦では「冬至」という日が最も短い日が太陽の死と再生を象徴する日として扱われることが世界各地であるようです。実はキリスト教が生まれた地は、それ以前にミトラ信仰という自然信仰が存在し、そこでは「古い太陽が新しい太陽に生まれ変わる日」とし冬至に冬至祭を行っていたそうです。その地域にキリスト教を広めるときに、キリストも古い太陽が新しい太陽に生まれ変わる日に生まれたとして伝えた可能性があり、本来はクリスマスと冬至祭が同じ日に行われていた。フランス語のNoëlは「新しい太陽」という意味を語源に持つそうです。そして、元日も昔は冬至と一致していたとか。長い月日の中で、若干のズレを生み、冬至とクリスマスと元日が別日になっているのが現代だそうです。

このように、古事記に伝えられることには、世界の各国の思想や宗教の源流とも一致するところが存在しています。国を超えた分かり合える関係を作るためにも、日本人がアイデンティティの正しい理解と確立をすることが非常に有効になると言えます。

自然との関係性や、神さまと人間の関係性

古神道は自然信仰で、太陽の神とされるアマテラスをはじめとする様々な神さまが存在します。そして、自然の中のあらゆるものが八百万神になられております。ただ、その神さまが人間と同じように働いたり、人と同じように約束を破ったりします。そんな人間くさい神さまです。そして神さまは人を見守っているという関係性が存在します。

他の宗教が神に救いを求め得られるという、神と人の関係性が多いのと比べると、意味として大きな違いとなっています。

神道では、神さまという自然に見守られながら生きていくという人々という関係性であり、自然を操作し自然を克服していくという考えがなく、どちらかというと共存共生していく前提でいます。

この自然と共存共生していくという考えは、SDGsの地球資源・地球環境との関係性で実現していきたい方向性と思います。

まとめ

現代の日本では、日本の建国についてや、日本人の習慣や思想の根底にある神道について教えられずに大人になる方が多いと思います。

古事記に書かれる内容を通して、神道を理解しようと試みるだけでも、世界各国の習慣や思想に通じるものが存在していて、共通点があることで国が違えど仲良くなれる可能性があると言えます。

さらに、神道には神さまに見守られながら、自然の中で共存共生していく前提があるため、この思想の認識を深めることで、SDGsへの参加をスムーズに行っていける可能性と、これまでの日本の古くからある習慣や発想の仕方の中に、SDGs実現につながるヒントを見出したり、SDGs実現を牽引する国に日本が成り得る可能性があるのではないでしょうか。

とは言え、現状では日本の皆さまのSDGsの参加意識や、そもそもの国際社会に対する興味の薄さもあるので、浮かれず、現状に対し重要なことをひとつずつ実行していくところからと思います。